久しぶりの東京にて、i.school 夏のシンポジウムに参加してきました。
テーマは「ビジネスデザイナーの時代—デザイン思考をどう実践するか」
ゲストスピーカーは、
Roger Martin : ロットマン経営大学院(Rotman School of Management)学長
濱口秀司 : デザインファーム Ziba 戦略ディレクター
去年のシンポジウムにも参加できてかなり多くの刺激を受けたので、今年も期待して遠路はるばる広島からやってきました。
そしてそんな期待を上回るとっても刺激的な内容。
デザイン思考、ビジネスとデザインの関係を深く考えるステキ時間です。
Roger Martinさんの講演。濱口さん、i.schoolの堀井先生、田村さんを交えてのパネルディスカッションという流れです。
例のごとく、面白いキーワードがたっぷり出てきたので自分なりの解釈と共に…
<分析的な思考と直感的な思考をあわせ持つデザイン思考>

分析的な思考は信頼性が高いが有効性は低く未来を予測できない。直感的な思考は有効性が高いが信頼性が低い。
デザイン思考は、分析的な思考と直感的な思考の両方をもつことで、過去を分析し未来の点を見つけ、ジャンプできる。
新しいアイディアを「証明する」ことが出来れば、そのアイディアはイノベーションではない。
アイディアの有効性を証明するのではなく、論理的に説明・実践する。
「証明」と「論理的な説明」の違いってのは、とても面白いと感じました。
アイディアを客観的にプレゼンしようと思うと、数字を並べてアイディアの正しさを求めがちです。
大学時代のときデザイン学科で論文を提出するのですが、典型的な論文は、ある意味「結果を証明する」ものな気がします。
個人的な捉え方ですが、従来の論文という媒体でデザインについて論じるということは、直感を証明することを目的にしているような感じがします。
そのアイディアが本当に正しくて信頼できるものなのかではなく、そのアイディアの良さを論理的に相手に説明することを目的に考えれば、アイディアがイキイキしたまま程よく世の中に合ったものになるのかななんて感じます。
<Our Path of Understanding [Mystery]→[Heuristic]→[Algorithm] >

何かを理解する時には、最初は「なんだこれは!?」的な謎に包まれる。分からない中で試行錯誤を繰り返すうちに、「こうすれば良いんだ」「これはやらないほうがいい」などのコツが経験的に分かってくる。そして、そのコツが積み重なり、「こういう場合にはこうすれば良い」というような効率の良い方法が分かってきて、その方法にのっとって判断をせずに結果が生まれる。
マクドナルドの店舗を例として、最初の1店舗では、何が売れるかどうやって作るか等が分からなかった。お店を続けていくうちに売れる商品とか客層とかが掴めてきて商品の売り方が分かってくる。いろんな場所にお店をだしたりしてくことで、こんな場所ではよく売れるとか、商品の作り方とかが確立されて、誰でもハンバーガーを作れていっぱい売れるという仕組みが出来上がった。
この理解の流れは、分析的には行なえない。経験的に分かっていく。
経験から得た1つのアルゴリズムの精度に執着するのではなく、いろんな謎に取り組んで、多くのアルゴリズムを得る。
いずれ、[Mystery]→[Heuristic]→[Algorithm]の1つの流れが1つのソフトウェアになり、すべての知識がソフトウェアになるかもしれない。
ビジネスデザインは今[Heuristic]の段階にあり、[Algorithm]の段階になるまでにビジネスデザイナーとしての役割が強まる。
自分が特に何かを始めた時に最初はダメダメなタイプで、時間と経験でなんとなくやり方が分かっていくことが多いので、この理解の流れは、経験的にもとても理解できました。
また、[Heuristic]→[Algorithm]にいけるかどうかも重要な気がします。何となく経験的にやり方が分かる所で満足して、それを他の人が誰でも出来るようなアルゴリズムを見つけようとしないこともあります。そこからさらに深堀して、[Algorithm]に到達できるかが、1つの分野に対しての1つのゴールなんだと感じます。
<組織におけるビジネスデザイナー>
企業や組織では、主に分析的な思考が強い傾向がある。そこでデザイン思考をどう活用して行くのか。
先に出てきたような、分析的思考と直感的思考の間や論理のジャンプ、様々な謎のアルゴリズム化を目指す。
プロトタイプを用いてアイディアを経験することで、それを直感的な未来の予測ではなく、過去の経験として、論理の1つとする。
組織で様々な人を集め、分析的な思考と直感的な思考の間で何かを生み出すという体験をする(そういった場をつくる)。その体験によって、分析的な思考が強い人も、直感的な思考が強い人もデザイン思考に触れ、新しいことにチャレンジすることに良いイメージを持つ。
両極端を経験する。
環境をコントロールする。
ビジネスデザイナーとして何かを行なうのではなく、様々なキャリアを積むことでビジネスデザイナーに近づく。
組織を変化させたいと思うということは、組織をネガティブに捉えている。組織を変化させたいなら、まず組織を学ぶ。そのためには、組織をポジティブに理解しないと内部を本当に理解できない。
<マインドセットの重要性>
この講演の中でちょくちょく出てきたキーワードがマインドセットです。
何事も価値観とか心構えによって、その行動・結果の方向性が決まってくるように感じます。
昔こういう風になりたいなと思っていて、意識的に何かしなくても気づけばそれに近づいているような。
よく「人が想像できることは人が実現できる」なんて言いますが、それもそういうことなのかと。
想像するためには、その価値観を分かっていないと想像できません。
いろんな体験をしていろんな価値観や心構えを持ち、いろんな新しいものを生み出すことが出来ればいろいろステキです。
最近あんまり文章を書いていなかったので、まるで言葉が出てきません…
感覚的に面白いと感じる内容を上手く論理的に説明できれば、イノベーティブ!
まだまだ勉強と経験が足りませんな〜





